
軽井沢の長倉にある浅見光彦クラブハウス。クラブハウスと名が付くように、基本的には浅見光彦倶楽部の会員が利用できる施設なのですが、一般の人も入場料500円を払えば入ることができます。そもそも、浅見光彦っていうのは、内田康夫さんの小説に登場する架空の人物。フリーのルポライターなのですが、日本各地を飛び回っては事件に巻き込まれているという趣味が探偵な人です。
かなり長く続くロングセラーで、ファンも多く、一般にそんなファンのことを『アサミスト』と言います。ここは作者の内田康夫さんが、ファンに向けて作った小説の世界観にたっぷり浸れるクラブハウスというわけ。
ちなみに、近くには宿泊施設として「浅見光彦の家」っていうのもあるのでスーパーアサミストならそっちも泊まってみると良いでしょう。
・浅見光彦の家行ったら、テンション上がりすぎた!

浅見光彦の愛車であるソアラも止まってます

中に入ったところ
外にはソアラが止まっていて、アサミストならそれだけで結構な興奮状態になるでしょう。小説の中で浅見光彦が乗っている車なんです。余談ですけど、名探偵コナンに登場する小学生のミツヒコ君は、浅見光彦からとっているんですよ。
入るとロビーがあってそこでお金を払います。

都道府県ごとに文庫本が!
作品は、旅行ミステリーな部分もあるので、各都道府県の名所等がたくさん出てきます。クラブハウスでは、そのモデルとなった地の都道府県に分けて文庫本が販売されていました。長野県も結構多いです。

トイレにも注目
男子トイレには何故か「安曇野高等学校」と書かれたプレートが掲げられています。安曇野が舞台の作品なんてあったっけな?!と思ったので、受付の人に聞いてみると、小樽殺人事件をドラマ化した際に安曇野のロケ地で使ったものなのだとか。後で調べてみると、確かに小樽殺人事件で、光彦は安曇野を訪れていました。分かる人はすぐにピンと来るんでしょうか。マニア度が試されるクラブハウスです。……ごくん。

『天河伝説殺人事件』に出てきた五十鈴
2階に上がるとさらにそのマニア度合いは密度を増して、天河伝説殺人事件に登場する五十鈴をはじめ、小説やドラマに登場したいろんなキーアイテムが保存されています。博物館のように説明書きがあるのですが、なかなか小説を読み込んでから来ないと「…うーん、なんかあったような気がする」くらいにしか思えないが悔しいところ。

『首の女』に登場した彫刻

『鬼首殺人事件」に登場した金塊

ニセモノです…

おもむろに置かれた「開けないでください!?」というハコ

開けちゃった!
いろんなアイテムがあるなか、いきなり何の作品にも関係のないハコが置かれていたので完全に不審、不審、不審すぎます。しかも開けないでくださいってわざわざ書くあたりも怪しすぎる。ということで開けてみると、ピーピー音が流れて、中には「ダメと言われてもクビを突っ込むなんて、光彦の素質があるかも」的なメモが書かれていました。

陽一郎さんのデスクは記念撮影用のもの
2階の一角には光彦の兄であり、刑事局長である浅見陽一郎さんのデスクが置かれています。記念撮影してくださいっていうスポットで、皆さん思い思いに撮っていました。ちなみに僕は、近くにいた人に撮ってもらったら、なぜかiPhoneを触っているところを押さえられました。もっと陽一郎さんっぽい写真が撮れれば良かったのに。

2階から見た1階の様子

お土産売り場には住民票も!
Tシャツや文房具など、いろんなお土産が売られていて、中には浅見光彦の住民票まで販売されていました。もちろん住所は東京都北区西ヶ原。2月10日生まれの33歳と書かれています。

センセ人形まで
また、極めつけは内田康夫先生の人形までありました。浅見光彦を生んでくれてありがとう!という人は内田康夫先生の人形を買ったりするんでしょうか?!アサミスト心理もなかなか複雑ですね。
というわけで、全編通して浅見光彦を知らなければ、何のこっちゃわからんクラブハウス。ふらりと訪れるような場所ではないですが、でも自分の出身地や居住地の事件もきっと小説になっているハズなので、そういうのから読んでみて、段々とアサミストへの階段を登ってもらえれば良いと思います。とりあえず長野県民なら、戸隠伝説殺人事件からですかねー。