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長野市の情報もたくさん!『TURNS Vol4』は、地域のエネルギーと課題が具体的に書かれたノウハウ本!

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第一プログレス社が出版している、地方の生き方、暮らし方に関する雑誌『TURNS』。以前は『自給自足』という名前で発行されていましたが、2012年の夏号から『TURNS』という名前になって、今回で4号目。季刊誌なので1冊に詰まった情報量と濃密性はなかなかのものです。今回発売された『地方で夢を叶えた人びと』では、長野県に関するヒト、もの、場所がたくさん出てくるので買ってみました。

Vol4の企画は、いままさに地域で活動したり、大きなエネルギーを放つヒトが抱える課題に対して、その道の専門家が答えてあげるというもの。現在進行中で地域活性に力を入れるニューカマーであり、しかもある一定の実績を残しているヒトの課題なので、それ自体が具体的で重みがあります。

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例えば、シンカイの白石君の課題を・・・

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スタジオLの山崎氏が回答

本書の冒頭で紹介されている、白石君は現役の信州大学大学院生。いちおう僕からすると随分と後輩になるわけですが、その活躍っぷりは圧巻です。門前町にあるシンカイという金物屋さん(本書の表紙の写真になっているところです)の空家を借りて、せっせとリノベーションを始めたのが大学3年生の頃。

長野市の地図感覚が無いとピンと来ないとは思うのですが、ハッキリ言って、信州大学の工学部に通っていて、門前町に家を借りるような学生はフツーいません! 駅を挟んで大学とは反対側ですし、賃貸で家を借りる場合、皆、当たり前のように駅の南側に暮らすものなんです。なので、ココに住んだというだけで、彼がかなりの変わり者であることは間違いないわけですが、白石君は見た目がスーパーフツーなので、その辺のキワモノっぷりをマイルドにしていると僕は以前から思っていました。




様々なプロジェクトに絡むなど、白石君の活躍っぷりに関しては『TURNS』内でも細かく書かれているので割愛しますが、その先輩役として回答しているのが、STUDIO-Lの山崎亮さん。この方も本当にすごい方で、まちづくりだとか、コミュニティデザインに関する知識と経験をたくさん持っておられます。僕は山崎亮さんとは直接お会いしたことがありませんが、本書で紹介されているのを読む限り、とても泥臭く、地域の中にヒソヒソと潜入される方のよう。権威ある先生としてもてはやされたり、机の上でものを考えるハカセハカセした部分よりも、ちゃんと溶け込むように地域の中に入っていく魅力がある方なのだと思います。




白石君は公共空間の規制に対する働きかけや、町のキーパーソンとの出会い方などを課題に列挙。それに山崎亮さんが一つ一つ回答してくわけですが、特にフムフムと関心したのは、空家の貸し借りに関すること。新参者が空家を貸してくれと言っても普通は貸してくれない。町や人との信頼関係があって、初めて空家を借りて、思い通りにリノベーションできるということを、本書内で述べられています。このように、とにかく『地域』『地方』『コミュニティ』なんていうところを実際に活動してきた方の、「やってきたから分かる疑問や不安」がフックになっているので、その地域に住んでいなくても、ぐっと引き込まれる要素がフンダンに詰まっています。

その他、長野県に関わるところで言うと『地元カンパニー』の児玉さんが薦めるパワフル社長が紹介されていたり、門前町の仕掛人である『ナノグラフィカ』の増沢さんを起点に、数々の空家リノベーション例が掲載されていました。ということで、全体を通して長野色がかなり強い一冊になっていますが、姫路、高知、雲仙、小樽など取り上げられる地域の散りばめられ方のバランスも良かったです。『地域』や『地方』というものにちょっとでも興味のある方にとってもオススメですよ。もし、『地域』の仕掛人になろうとしている人にとっては、ノウハウ本にもなっていることと思います。