
小諸の山の上の方に、「茶房・読書の森」という喫茶店があります。ただ、ここは「カフェ」というカテゴリに入れて良いのかわからない何とも不思議な場所。もちろん、カフェスペースはありますし、カフェとして利用することも全然できるのですが、それだけに留まらないのが小諸が誇る「読書の森」なのです。一応公式サイトを見ると、『里山を楽しもう』と書かれていて、敢えて分類するなら里山テーマパークみたいなスポットなのだと思われます(ちょっと違いますが……)。

カフェの店内
ちょっと重たげな扉を開けるとそこがカフェスペース。カウンターに数席、テーブルに何人か座ることはできるのですが、そこまで大人数が入れる場所ではありません。入ってみると店内の本棚には色んな書籍やポスター、チラシ、雑貨が並んでいて、なかなか圧倒されてしまいます。

宮沢賢治の世界観そのままのメモ書き
店主さんが宮沢賢治好きということで、『下ノ畑ニ居リマス』というメモが掛けられていました。こういった雑貨などがおもちゃ箱のようにたくさんあるのが『茶房・読書の森』なのです。

手作りメニューがイイ感じ!!

木に手書きで書かれています

チャイを頼むとかわいいポットがついてきました
いろんなものが手作りされているカフェでもあるようで、オリジナルメニューのように独特のかわいらしさを放っているものもたくさんあります。普段はカフェとして利用されていますが、ここでワークショップが開かれたりイベントスペースになることもあるのだとか。また、テーブルが大きく2つしかないこともあって、お客さんとの距離が近いことも特徴的。辺鄙な場所だということもあって、他のお客さんと遭遇する率は低いのですが、もし遭遇したら知り合いになれそうですね。

カフェの横には土壁の小屋
ただ、冒頭でも言ったようにここの魅力はカフェスペースだけではありません。カフェの横に併設された小屋は自然を意識して土壁で作られていました。いちおう宿泊ができるスペースなのだそうですが、僕が訪れた時は、受験を控えた高校生が勉強に集中するために居候しているとのこと。そんなパターンもあるのか!!!と驚きましたが、このようなところで勉強していると、さぞや想い出深い受験勉強になるんでしょうね。

ヤギやロバがいます

ゲルもあります

別な居候外国人の人が薪を割っていました
その他、施設を一周してみると、ヤギやロバはいるし、ゲルまでありました。訪れたのが冬だったので景色は真っ白ですが、夏になると一面緑が広がってここで色んなイベントが開かれているのだそうです。ロバを使った結婚式や、ゲルでの宿泊体験など、なかなか都会では・・・いや、小諸市街地では体験することのできないことができたりします。念のため断っておきますが、これらは全て『茶房・読書の森』の店主さんたちが個人的に運営しているもの。世間によくあるテーマパークのように入園料をとったりしながら、民間企業として動かしている場所ではありません。なので、店主さんの自然体験に対する思いだったり、「こういうことができたらステキだ!」という思いが直球で込められている場所でもあるんですね。

どうらくオルガン!!
そんな「読書の森」では、現在『どうらくオルガン』と呼ばれる建物を移設中。これは、2012年に新潟で開催されたトリエンナーレという芸術祭の中で展示された作品の一つ。絵本作家の田嶋征三さんと「ロバの音楽座」の松本雅隆さんによる共同作品なのです。豪雪地帯に展示されたいたこともあって、雪が降ると潰れてしまう、けれど無くしてしまうのは惜しい。というわけで、ここ『茶房・読書の森』に移転されることが決まったのだそう。2013年の4月には完全移設される予定らしいので、また春になると楽しみが一つ増えますね。
茶房 読書の森
とにかく、ちょっとした文章では説明しきれない場所なので詳しくは公式サイトを見てみてください。けれど、それでもなかなか芯の部分は掴みきれないと思います。どうしても気になる人は直接行って、自分の目で確かめるのが一番ですね!!