
なんとステキな便器でしょうか。これ、実は全て職人さんが手で塗っているのです。なんだか用を足して良いのか躊躇してしまいそうですね。便器の一番奥に描かれているのは、躍動感あふれる「鯉の絵」。和式便器は、ちょっとくすんだ純白と決めつけてしまっていたのですが、こうして模様を付けるだけで一つの作品になるようです。スバラシイ。

そんな便器があるのは長野市門前町の『藤田九衛門商店』
ステキな便器があったのは、長野市門前町に店を構える『藤田九衛門商店』さん。タイ焼きならぬ、「鯉焼き」を作っているお店ですね。売り切れてしまえば営業終了なので、早く行かないとなくなってしまうという貴重で希少な鯉焼きなのです。

鯉の形の『鯉焼き』

ニシキゴイという商品もあります
「要するに、ちょっと変わったタイ焼きでしょ?!」と思いきや、これが生地や餡までこだわり抜いて作られているので本当に美味しいのです。長野県では「鯉こく」など、鯉を使った料理が有名なので(特に東信地方)信州と鯉は相性が良いんでしょうね。

トイレは店の奥

こだわりの和式トイレ!!
大正から昭和初期の頃は、こうした模様入りの便器というのが流行していたようですが水洗式になってからはあまり見かけなくなったようです。それを再現しつつ、「鯉」の絵を描くことでオリジナリティを出しているこのお店。こうしたこだわりが、味の美味しさにもつながっているんでしょうか。

タンクにも鯉の絵が!!

実際に昭和初期頃に使われていた模様入りの和式便器
店主の藤田さんの本音としては、当時に実際に使われていた便器を取り付けたかったそうなのですが、すでに水洗になったトイレを汲み取りにするのは許可が下りなかったそうで……。新たに模様を加えることにしたのだとか。
その他、店の中にはいくつかこだわりと遊びの部分もいくつか散りばめられています。

壁を塗ってくれた有志の名前が刻まれていました

花豆で囲碁?
随所にこだわりを見せてくれる藤田九衛門商店。ぜひぜひ長野市に来たら『鯉焼き』を食べ、トイレを見てみてください。2度目に来た時は、また別なこだわりが生まれているかも……?!
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