
長野県上田市の別所地区に、「風穴」があります。
場所は三島神社の裏。このあたりで蚕の飼育に使われていた氷室が今も残っているのです。蚕種を自然のままにしておくと春に一斉に孵化してしまうらしく、一年を通してイイカンジに飼育するため孵化を抑制しようと「風穴」が作られたのだそう。
簡単に言えば、天然の冷蔵庫なわけですが、実際、どれくらい寒いのか行ってみることにしました。

こんな道を進んでいきます
行ったのは真夏の8月4日。気象庁の過去データによると最高気温は31℃にものぼった暑い日でした。三島神社を通りつつ、徒歩10分くらいかけて林の中を進んでいきます。

林の中は気温25℃でした

しばらくすると「風穴」に到着
現れた「風穴」は、柵で囲われていて、上から見ると大きな落とし穴のようになっていました。ドラゴンボール世代の人は、天下一武闘会の時に天津飯が気功砲で作った穴を思い出してもらうと分かりやすいと思います。

風穴の中には階段で降りられるようになっていました
実はこの階段が、別世界への入口。
一段一段、降りるたびに世界が変わるほどの気温差が体感できるのです。階段を昇降していると、リアルに顔と足で感じる気温が全然違います。きっと猛暑日であればあるほど、この気温差にテンションがあがることでしょう。

階段を降りて行くと「風穴」内部!
いよいよ風穴内部に入ると、そこはもう冷蔵庫の中。写真ではしっかりと伝わらないかもしれませんが、ハッキリ言って夏の服装では寒いです。
なんだここは……。
鍾乳洞の中をグイグイと進んでいったわけではないのです。ただ単に、掘られている穴の中へ階段で降りただけ。なのに、穴の中だけヒヤヒヤの寒さ。

スゲーーーーーー!!

スゲースゲーーーースゲーーーーーーーー!!!
(gifアニメです。スマホの人はクリックしてください)

気温は10℃くらい
説明書きを見ると、風穴の中は真夏でも5℃になるとのことでしたが、実際計ってみると10℃でした。それでも、回りの気温が25℃くらいあるので、いきなり15℃も気温が変われば十分スゴいです。
あまりに不思議な「風穴」という空間。トリックのようで、若干頭が混乱するんですが、案内板を見ると「人造風穴を取り巻く空気の対流モデル」という小難しそうな図柄が記されていました。

・・・なんだかよくわかりません。
この構造を理解しようと色々調べてはみたのですが、結局、明確な答えは分かりませんでした。
おそらく、このイラスト図だけを見て「なるほどー!」と思える人は、かなり博学な方だと思われます。少なくとも子供はもちろん、一般の人でも分からないんじゃないでしょうか。何がどうなって冷気が発生しているんでしょうね。
なんだかモヤモヤは晴れないままですが、とりあえず自然は「スゲー」ってこと。できれば真夏の間に行ってみましょう。
別所温泉の観光案内|神社仏閣