
日本では江戸後期から「急須」が使われているようです。お茶を入れて注ぐ時に使う道具で、直接火をかけないもの、それが「急須」。
そんな急須をコレクションし、家にミニ博物館を作ってしまった人が長野県小布施町にいます。小布施のお隣、須坂に行けば、蝶々のコレクションをしている人が自宅の蔵に博物館を作っていますが、それの急須バージョン。
確かに急須ってよく考えれば面白い形をしているし、ツボや茶碗と違って形が特殊です。焼き物としての難易度も高そう。ハマってしまう人の気持ちもわかる気がする。
看板出ています
茶俚庵
思いっきり家の中ですがここが博物館
場所は、小布施町中松。ツルヤより少し北のほうにあります。いわゆる小布施の中心街を離れているので、すごく静かな住宅街の中にありました。完全に自宅の中にあるので駐車場はありません(たぶん)。若干、中に入るのに勇気がいりますが、ここオープンガーデンにもなっているので気軽に入ってみましょう。
たまたまご主人が庭にいたので声をかけました
ご主人は神戸能歩維(かんべのぶただ)さん。訪れると、ちょうど庭をいじっていらっしゃったので声をかけると、展示場を開けてくれました。いちおう午前11時から午後2時までの営業で、火・水・木が休業ということですが、しっかり定まっているかはよくわかりません。
ちなみに、入館料は100円でした。

左端に写っているのがご主人です
たくさんの急須がガラスケースに展示されています
展示されているのは、約150点ほど。
常滑や四日市、大垣、京都などなどの急須がメインで置いてあります。こんなにまじまじと急須を見たのは初めてですが、よく見ると形や色が違って面白い。
ご主人いわく。
急須を作るときの土に含まれる鉄分がお茶に溶け込むので、同じお茶でも急須によって味が違うんだとか。急須は使ってこそ意味があるので、あくまでアートではなく、実用的じゃないとだめなんだそうです。バランス的には「用6割」「美4割」。
ご主人が作った急須も
一期一会と書かれた名刺入れもご主人作
ご高齢ということもあるのと、僕が長野県の方言をちゃんと理解できてないということもあって、ご主人の言ってることを半分くらいしか聞き取れませんでした。たぶん、その中にはスゴイ話もあったと思うのに、それがちょっとだけ残念。
ご主人は、白い髭が立派で綺麗で、正直なかなかダンディです。この方とお会いするために訪れてみるのも良いと思います。
オープンガーデンのえんがわ
庭も立派でした。
急須コレクション・茶俚庵
上高井郡小布施町中条687