
「タクシー乗り場」って、もっとターミナル感あると思ってたんですよ。
鉄道駅を出たところとか。もしくは、大型ショッピングモールとか、大きな病院とか。タクシー乗り場って、そういうところにあるイメージです。いや、イメージというか「タクシー乗り場」たるもの、そうあるべきと言ってもいい。
でも、長野市高田にあるタクシー乗り場は違います。おもいっきり住宅街。すべからく住宅街。砂利敷きの月極駐車場の一角に存在しています。そんな「タクシー乗り場」で、タクシー呼んでみました。

住宅街でしょ
住宅街なんです
これでもかというくらいに、家々が立ち並んでいるエリアです(長野市高田34番地あたり)。人が住んでいる場所ではあるけれど、よそから人が集まってくる場所とも思えない。なんでこんなところにタクシー乗り場があるんだろう。
公共交通機関が行き届いていない「陸の孤島」と呼ばれるような場所だと、住宅街でもタクシー乗り場があるものなのかな(?)と思ったのですが。この場所は17分くらい歩けば権堂駅にアクセスできるし、バス停も割と近くにあります。
ますます謎!!
ということで。
電話でタクシーを呼んでみることにしました。
表示板を見ると「桜観光タクシー」と「富士タクシー」の文字。記載された電話番号にかけるとワンコールもしないうちに出てくれました。
ボク「タクシー1台お願いしたいのですが」
相手「どこですか?」
ボク「タクシー乗り場というところにいるんですが」
相手「……えっと、どこのタクシー乗り場ですか?」
ボク「あのぅ。住所でいうと長野市高田で、住宅街の駐車場の一角にあるタクシー乗り場なんですけど」
相手「高田……?」
ボク「はい、住所は高田で間違いないんですけども。まわり住宅街で砂利の駐車場でタクシー乗り場っていう看板が立ってます」
相手「あれ、居町(いまち)ですか?」
ボク「……居町から近いところですけど、居町より奥というか。北条とか居町とかあって、その奥です」
相手「守田公園の通りの?」
ボク「あーはい。そうです。守田公園の前の道をまっすぐ奥へ行ったとこの住宅街です」
相手「はい、わかりました。今からすぐ向かっていいですか?」
ボク「はい、お願いします」
住所は確かに高田なんだけどな。という思いはありつつ、なんとなく伝わった気がしたのでしばらく待ちます。
15分くらい待つと、タクシーが1台来ました。もう絶対ボクが呼んだやつだと確信できます。若干、車からガコガコ音がしたような気がしましたが、そんなのどうでもいいです。来てくれたということがすべて。
乗ってすぐ。
タクシーの運転手さんに「あのタクシー乗り場って使う人います?」と聞くと、ソッコーで「いないね」。なんとなく電話のやりとりで感じてはいましたが、使う人は相当レアなんだと思われます。
で、、、。
なんで住宅街にタクシー乗り場があるのかという話。運転手さんによると、もともとは桜観光タクシーと統合した富士タクシーという会社の事務所があった場所なんだとか。(ただ、事務所がなくなったからといって、なぜタクシー乗り場を残したのかまでは謎のまま)
今まであまり気にしたことはなかったけど、探せばもっと変なタクシー乗り場があるのかも。「雨の中、六本木通りでタクシー止めて目黒まで」そんなかっこいい都会的なタクシーの乗り方とは一線を画した感じが、胸キュンです。
でも。電話で伝える時に困るから、タクシー乗り場の表示板に「お電話では高田34番地とお伝えください」的な文言が書いてあってもいいよね。