
中央本線の中間駅であり、篠ノ井線の起点駅でもあるJR塩尻駅。その駅構内に、とんでもなく狭い駅そば屋さんがありました。全国どこにでも駅そばはありますが、なんといってもココは長野県。「信州そば」と書かれていれば、思わずその味を堪能しようと足を踏み入れたくもなるものです。
しかし、しかし。
目の前に現れたのは、エレベーターの横に隠れるように存在する怪しげな扉。まるで人目を避けるように設けられているのですが、結構がっつりと看板が出ているので、隠れようという意識は無いのかもしれません。
奇しくも、戸を隠すと書く「戸隠」が信州そばのメッカ的存在でもあるわけですが、それって偶然なのでしょうか(こじつけですね……)。

1番線2番線のあるホームから階段を上がります

さぁ、中はどうなっているのでしょう?!

狭い!!
扉を開けると中は見事に予想を裏切らない狭さでした。
「いらっしゃいませー!」と元気に声をかけられましたが、この狭さに驚いて、あまり耳に届きません。
券売機が1つ置いてあり、大人が2人立つのがやっと。1人が奧のスペースにいると、もう1人の人が券売機の前に来るのさえ難しい状態です。

他のお客さんが来ました(狭いッ!!)
そうこうしていると、他のお客さんがやってきました。2人になってもう満員状態です。
僕の立ち位置からでは、上の写真を撮るのが限界。全体像を見せたい気持ちはやまやまですが、それだけ狭いところにいるんだということ。

ちなみにこのような動きをとりました
他のお客さんが来る事で、狭小スペースの中で動きが生じます。
奥の券売機の横でそばを食べようとしていた僕ですが、このままだとあとから来た人が券売機で食券が買えません。なので、僕がスルスルと移動して、スペースを空け、そこにあとから来たお客さんが入っていくのです。
このような動きはよくあることなのか、中にいる店員さんも「ハイハイ」とばかりに水や蕎麦を移動してくれました。手馴れている。

安曇野葉わさび蕎麦
ただ、お蕎麦の味はなかなかのもの。駅そばだからとナメてかかってはいけません。
さすがは信州そば処が作る蕎麦といった感じでした。安曇野の葉わさびを使った蕎麦なんて、そうそう無いですからね。こういうメニューが駅そばにあるというだけでも、ここが信州なんだと実感することができます。

しかし改札の向こう側には広々としたスペース
「いったいぜんたい、この駅そば屋は何なんだ?!」と思っていたのですが、どうやら改札の中と外、どちらからでも立ち入ることのできる店のようでした。ただ、そのバランスがすごく悪くて、改札内から入るとひどく狭いスペースしかなく、改札の外からだと一般的な普通の駅そば屋さん。むしろ、改札外の場合はイスやテーブルもあったりして、駅そば屋にしては広いお店なのだと思います。

こういうイメージ
というわけで、正確に調査したわけではないですが、恐らく日本で一番狭いであろう駅そば屋さんで、お蕎麦を堪能して参りました。
もちろん外の広いスペースで食べた方がゆったりできることは間違いないのですが、どうせだったらその狭さを感じて帰ってもらった方が印象に残るように思います。
そのうち、日本一狭いということにして、「ここで蕎麦を食べると願いが叶う」的なスポットになれば面白いかもしれませんね。
(2015/4/9 追記)
ちなみに、昔はここまで狭くなかったそうです。
隣にエレベーターを設置することになり、仕方なく駅そばのスペースを縮小することになったとか。
日本テレビの『月曜から夜ふかし』で紹介されていて、そのように説明されていました。
確かに、これだけ狭いスペースを最初から作るっておかしいですもんね。